Q1:Ⅰ型アレルギー反応についてもう少し詳しく教えてください。
A1:Ⅰ型アレルギー反応はIgE抗体が関係する反応です。からだにアレルギー反応を起こす異物を抗原(アレルゲン)とよびます。からだに侵入した抗原に対してからだがつくり出すタンパク質が抗体です。
抗原に反応して異物(外敵)からからだを守るために動員される、抗原に特有のタンパク質が抗体です。食物アレルギーには、抗体の中でIgE抗体とよばれるものが関与しています。
本来、異物(外敵)ではない食物もいろいろな原因(未消化など)で、異物と誤って認識されるとアレルギー反応の原因物質になります。
異物である抗原が体内に入ってくると、これを排除しようとして血液中のリンパ球(Bリンパ球)がIgE抗体をつくります。IgE抗体は、皮膚や粘膜下に多く存在しているマスト細胞(肥満細胞)にくっつきます。
マスト細胞の表面にくっついたIgE抗体はアンテナをはりめぐらせて、次の侵入物(抗原)が入って来ないかどうかレーダーのように監視しているわけです。この状態を感作といいます。
外敵(抗原)が入ってくると、抗原はマスト細胞の表面にあるアンテナ(IgE抗体)にすばやく結合します。こうするとマスト細胞からはさまざま化学物質が放出されます。
これはちょうど敵(抗原)がレーダー(IgE抗体)に感知されると、基地(マスト細胞)からすばやく攻撃ミサイル(化学物質)が発射されて、敵(抗原)に応戦するのと似ています。
マスト細胞から放出される化学物質は、次に同じ物質がからだに侵入しようとしたとき、その物質がからだに入ることを阻止して、被害を最小限にするための有益な反応(免疫反応)のはずでした。
ところが、同じ物質(抗原)が次から次へとからだに侵入してくると、過敏に免疫反応が働くようになり、マスト細胞から化学物質が過剰に放出されるようになります。化学物質がからだにアレルギー反応とよばれる悪い影響を出すことになります。
敵(抗原)に対して基地(マスト細胞)から、攻撃ミサイル(化学物質)が必要以上に発射されるようになると、敵(抗原)だけでなく自分の陣地(自分のからだ)をミサイルで攻撃することになり、結果的に自分の陣地を破壊することになります(アレルギー反応)。
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