Q6:免疫学的寛容についてもう少し詳しく説明してください。
A6:免疫の仕組みが有害な物質などから体を守るためには、まず、有害な物質の侵入を感知する必要があります。そのため、免疫の仕組みでは、リンパ球が自己と異なるタンパク質の微妙な違いを見極めて、自身の成分には反応しないように制御されています。
このように特定の物質に免疫の仕組みが反応しない状態を免疫学的寛容といいます。
いろいろなメカニズムが働いて免疫学的寛容の状態になりますが、とくにリンパ球の中のT細胞による調節が大切です。
抗原(アレルゲン)に対する寛容は、T細胞のタイプがIgE抗体を作るのを助ける2型ヘルパー細胞(Th2)が優位な状態から、1型ヘルパー細胞(Th1)優位に変化すること、いろいろな反応のブレーキ役をする制御性T細胞が増えてくることが重要と考えられています。
このような仕組みを通して、最終的には抗原(アレルゲン)と反応するT細胞がなくなっていくのが、免疫学的寛容です。
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