Q4:食物アレルギーは即時型アレルギーといわれますが、即時型とは何ですか?
A4:今までにも述べたように、即時型とはIgE抗体が関係したアレルギー反応です。始めはアレルギーを起こす原因となる食物に反応するリンパ球の数は少ないため、目に見えた症状は起きません。
しかし、繰り返しその食物を食べるうちに、食物に反応するリンパ球が数を増やしたり、IgE抗体を産生する機能を獲得していきます(感作と呼ばれます)。生まれつきアトピー素因であったり(アトピー素因は皮膚炎だけでなく、アレルギー一般を起こしやすい体質のことです)、その食物がアレルギーを起こしやすい性質であったりすると、Tリンパ球が2型(Th2)の性質を帯び、Bリンパ球にその食物に対するIgE抗体を作らせます。

いったん感作されてその食物に対するIgE抗体が作られると、体中の皮膚や粘膜に存在するマスト細胞(肥満細胞)に結合します。
次にその食物を食べ、未消化なままで吸収されると、血液により体中に運ばれてマスト細胞(肥満細胞)のIgE抗体と結合します。マスト細胞(肥満細胞)は、これが刺激となって細胞内に蓄えられているヒスタミンなどの化学伝達物質を放出します。
これらの化学物質による刺激で、血管から血漿成分がもれて、むくみやかゆみをしょうじたり(じんましん)、気管支を収縮させて喘息発作を起こしたりするわけです。これらは体に取り込まれた直後から約2時間以内に症状が起こるので、即時型反応といいます。
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