Q3:食物アレルギーと花粉症、アトピー性皮膚炎とは同じアレルギーでも違いますか?
A3:アレルギー反応は4種類に分類されますが、これらのアレルギー反応に関係しているのは、Ⅰ型(即時型反応)とⅣ型(遅延型反応)です。
その中でもⅠ型(即時型反応)はアナフィラキシー型とも呼ばれ、重症化しやすいため重要です。Ⅰ型はIgE抗体に深く関係しています(詳しくはQ1とA1をご参照ください)。
Ⅳ型は遅延型反応とも呼ばれますが、IgE抗体とは無関係に起こるアレルギー反応です。
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、じんましん、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、花粉症、アナフィラキシーショックなど、ほとんどのアレルギー反応はⅠ型アレルギーによって起こります。
Ⅳ型アレルギーの典型的なものには、接触性皮膚炎(いわゆる「かぶれ」)、金属アレルギー、ツベルクリン反応、移植の拒絶反応などがあります。
食物アレルギーと花粉症の両方がIgE抗体に関係したⅠ型アレルギー反応で起こります。
さて、食物アレルギーの中でとくに果物や野菜アレルギーが、花粉症と関係が深いことが分かってきました。花粉症の人は花粉が飛んでいない時でも、食物アレルギーの一種の果物アレルギー(口腔アレルギー症候群)が起こることがあります。もちろん花粉症がなくても果物や野菜アレルギーは起こるので、注意が必要です。
花粉症の人は花粉の時期になると、花粉を含んだ空気を吸い込むとのどの奥の痛みや違和感を感じることがあります。口腔アレルギー症候群では、特定の果物や野菜を口にすると、花粉を吸い込んだ時と同じように、15分以内にのどの奥、唇、舌の痒みや痛みを感じます。
さらに吐き気や下痢などの消化器症状を起こします。花粉症ではあまり起こらない喘息発作を起こすこともあります。最悪の場合、アナフィラキシーを起こすこともあります。
アトピー性皮膚炎で口だけに症状が出る場合は、口腔アレルギー症候群の可能性があります。アトピーの原因も果物や野菜が原因かもしれません。どこにアレルギーの症状が出るかには注意しておきましょう。
もっと詳しくは:
http://allabout.co.jp/gm/gc/300610/2/
http://allabout.co.jp/gm/gc/300595/
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