熱があるかぜの症状No扁桃炎Yes体や手足に発疹No熱は3,4日で下がったNo ときは・・・
EBウィルス感染症や川崎病、プール熱(咽頭結膜熱)、夏かぜの一部 などが考えられます。これらの病気は扁桃炎以外にも特徴がみられますが、高熱が何日も持続することが特徴です。
とくにEBウィルス感染症と川崎病では一週間以上も高熱が続きます。プール熱(咽頭結膜熱)や夏かぜの一部の熱は一週間くらいで下がってきます。
EBウィルス感染症は小児期にかかると症状が軽くてすみますが、青年期にかかると扁桃炎と高熱、頚部のリンパ節の大きなはれ といった症状がみられるようになります。
血液検査では特徴的な異型リンパ球と肝機能障害がみられ、抗体値の上昇が認められたら診断は確定します。
川崎病は高熱が出てから頚部のリンパ節のはれ、眼の充血、口唇の発赤とはれ、手足のパンパンのはれと発赤などの症状が数日後にみられるようになります。川崎病は早期に診断し、治療を開始することが合併症の予防のために重要です。
筆者の経験では発熱後早い時期に、まず頚部のリンパ節の大きなはれを見たときには川崎病を疑うべきであると考えています。リンパ節のはれは巨大で、一方のあごや頚がはれているのが見ればすぐに分かるほどです。
プール熱(咽頭結膜熱)の診断は比較的容易です。夏に流行し、扁桃炎と眼の充血を生じてきます。高熱が一週間近く続くため、親はたいへん心配されますが時期が来ると自然に治ってきます。
またどうきに流行する夏かぜの一部も眼の充血が認められなくても高熱が持続することがあります。夏かぜの原因となるウィルスの多様性に富むためと思われます。
診断のポイント
小児ではまれですが、青年に扁桃炎と高熱が延々と続くときがあります。大きな頚部のリンパ節のはれを伴うことが多く、EVウィルス感染症に類似していますが、血液検査では異常を認めずEVウィルス感染症は否定的です。
40度の高熱が10日から2週間以上続くこともあり、次第に患者さんは消耗と不安感のために入院加療を余儀なくされることがしばしばです。しかし時期が来ると自然に治ってきます。
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