パズルで分かる「子どもの病気」子どもの熱 

急病センター受診の前に・・・パズルで分かる「子どもの病気」

子どもの熱

熱があるかぜの症状No発疹Yes体全体に水ほうNo小さな赤い斑点Yes ときは・・・

突発性発疹症風疹溶連菌感染症りんご病川崎病はしか(麻疹)などが考えられます。その他に夏かぜによる発疹症も発熱後2,3日たってから体全体に小さな赤い斑点を生じるものがみられます。 

これらの病気の中ではっきりとした発熱が先行するものは、突発性発疹症夏かぜ発疹症でしょう。
突発性発疹症は生後6ヶ月を過ぎた頃から1歳までのあいだに多くみられます。この年齢でかぜ症状に乏しく、急に39度近くの高熱が続くときにはまず突発性発疹症が考えられます。
発疹が現れるまでは発熱以外に特徴的な所見が少ないため診断は困難ですが、年齢などからそれと予測は簡単です。
夏かぜはしばしば突発性発疹症に似た発疹を体に生じることがあります。

風疹も発熱が先行しますが微熱のことが多く、高熱はまれです。
風疹の発疹は体や手足に小さな赤い斑点で現れ、耳の後部にじゅず様にリンパ節がはれてくるのが特徴です。しかしこれらの発疹は次に述べる溶連菌感染症りんご病の発疹に酷似していて、しばしば診断に困ることがあります。
夏かぜを含めてこれらの病気は、保育園など子どもが集まる場所で感染することが多く、2,3歳を過ぎてからみられるようになります。

溶連菌感染症りんご病については本HPの家庭での医学などに詳しく述べています。
溶連菌感染症は発熱や扁桃炎が先行するのがふつうですが、これらの症状がみられずに発疹だけで受診されることが多々あります。
イチゴ舌や手足の小さな赤い斑点は一般的ですが、溶連菌感染症による発疹は水ほうを除いて決まった発疹のパターンはみられないと言ってもよいくらい多様です。

りんご病は発熱を伴うことはまれです。あっても微熱くらいです。りんご病もほっぺの発赤に続いて手足に小さな赤い斑点を生じてきます。
子どもは元気ですが、入浴後や日に当たったあとによけいに赤くなるために、母親が心配されて連れてこられます。りんご病の発疹はときによっては2,3週間出たり消えたりすることがあります。

上記の病気は熱があっても軽いか、3,4日で解熱してくるのに対して、川崎病では高熱が続きます。発疹の認められる前から頚部のリンパ節が大きく(500円硬貨大からピンポン球の大きさ)くらいにはれてきます。
症状が出そろうと目の充血、口唇が真っ赤にはれてきたり、手足の先が赤くぱんぱんにはれてきます。川崎病少しでも疑われるときにはすぐに入院して経過をみるべきでしょう。

はしか(麻疹)も一週間近く高熱が持続します。発熱後3,4日たった頃から顔や全身の特徴的な赤い斑点に覆われるようになります。

診断のポイント

一般に子どもの発疹で、熱が下がってから出てくる発疹は重症な病気は少ないといえます。子どもの発疹症で重症になりやすいはしか(麻疹)や川崎病などは、発熱が続きながら発疹が出てきます。

またこれら以外には薬疹も考えておかねばなりません。溶連菌感染症は合併症を起こすことがあり(腎炎やリウマチ熱)、このような発疹をみたときにはきちんとした診断を受けるために、医師の診察は必要となります。

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