溶連菌感染症とは
溶連菌感染症は小児科外来でもっとも頻繁にみられる感染症の一つですが、診断は咽頭ぬぐい液酵素抗体法で簡単にできます。
しかし溶連菌感染症の疑いを持つためにはある程度の経験が必要です。
溶連菌感染症の症状は多彩ですが、大きく分けると
- 咽頭や舌の口の中の変化、
- 手足やからだ、顔の小さな赤い斑点状の湿疹
の2種類に分けることができます。
外来に受診されるきっかけとしては、高熱が出たために受診される場合と、発熱はなく手足やからだの皮膚の変化に気がついて受診される場合があります。
写真で見る子どもの病気では、皮膚の変化について 、
の5つに分けて少し詳しく写真とともに説明を加えます。
1.溶連菌感染症の口の中の変化(咽頭発赤といちご舌)
溶連菌感染症では、扁桃肥大と発赤、白い膿の付着が特徴的とされますが、このような変化はさまざまの他の病原体(おもにウィルス)でも起こってくるため、溶連菌感染症に特徴的ではありません。
むしろ、咽頭や口蓋垂(いわゆるのどちんこ)周辺の点状の紅斑(赤い斑点状の変化)や小出血斑が特徴的に現れると、溶連菌感染症が強く疑われます(写真1、2,3)。
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このようなケースでは高熱を伴うことが多いのですが、熱はなく咽頭痛だけを強く訴える場合もあります。
舌がイチゴのように赤くぶつぶつとみえることがあります。
イチゴ舌として有名ですが、半数近くにはイチゴ舌が認められないことがあります(写真4、5,6)。
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