写真で見る「子どもの病気」 > 溶連菌感染症の手足の症状 

写真画像で見る「子どもの病気」子どもの病気について説明は最小限にして、写真をできるだけ豊富にのせて解説しています。

溶連菌感染症-3:手足

溶連菌感染症の手や腕の皮膚の変化

Dr.みやけ

溶連菌感染症の皮膚変化としては手指や前腕部の湿疹がもっとも有名です。

発熱や咽頭痛がなくて、手指や前腕部の湿疹に気がついて受診されることがしばしばあります。

手指の変化は手と指とに分けられます。
手の変化としては、皮膚がかさかさ・ごわごわしてきたり、手のひらのしわに沿って白く皮がむけてくることがあります。(これを落屑(らくせつ)といいます。)

手の甲の皮膚変化

手の甲ではしわがよったようにごわごわした感じになります(写真1~5)
手の甲には落屑の変化は起こりません。

写真をクリックすると拡大します

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真1溶連菌感染症の手の甲のごわごわ

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真2溶連菌感染症の手の甲のごわごわ

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真3溶連菌感染症の手の甲のごわごわ

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真4溶連菌感染症の手の甲のごわごわ

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真5溶連菌感染症の手の甲のごわごわ

手指の皮膚変化

手指の変化は溶連菌感染症でもっとも特徴のある変化を示します。

1)指先の皮がむけてつるつるになったように変化したり、赤く皮膚が変色してくることもあります(写真6~9)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真6溶連菌感染症の手の指

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真7溶連菌感染症の手の指

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真8溶連菌感染症の手の指

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真9溶連菌感染症の手の指

2)また多くの例では指の皮が白くむけてくる変化(落屑;らくせつ)が認められます(写真10~13)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真10溶連菌感染症の手の落屑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真11溶連菌感染症の手の落屑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真12溶連菌感染症の手の落屑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真13溶連菌感染症の手の落屑

3)指の間に紅斑が認められることもあります(写真14)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真14溶連菌感染症の手指の紅斑)

この例(写真15、16)はおとなの溶連菌感染症の手のひらの変化です。
初診の時は手のひらの発赤(紅斑)がみられましたが、3日後には特徴的な落屑が認められました。

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真15大人の溶連菌感染症

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真16大人の溶連菌感染症

前腕部の皮膚変化

前腕部の皮膚変化は小さな赤い斑点状の湿疹がみられるのが特徴です。

1)この湿疹は点状紅斑とも呼ばれますが、よくみるとざらざらした少し盛り上がった感じのする小さな湿疹のこともあります(写真17~20)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真17溶連菌感染症の腕の湿疹

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真18溶連菌感染症の腕の湿疹

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真19溶連菌感染症の腕の湿疹

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真20溶連菌感染症の腕の湿疹

2)腕にも顔と同様に一見するとにきびに似たような湿疹を生じることもあります(写真21)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真21溶連菌感染症の腕の湿疹

風疹やりんご病もよく似た点状紅斑を生じますが、皮膚のざらざら感はありません。
耳介項部のリンパ節のはれがあれば風疹と診断できます。
りんご病はときに溶連菌感染症と区別が困難です。

溶連菌感染症では、手指の皮膚の変化、とくに手指や手のひらの落屑(白く皮がむけてくること)や指先がつるつるになる変化を同時に認めることが多く、これらの変化から区別できます。

溶連菌感染症の足の皮膚の変化

溶連菌の足の変化も特徴的で、診断にたいへん役立つ所見です。

1)足の甲に小さな赤い斑点(紅斑)がしばしば認められます。
この斑点は足の甲だけでなく、下腿部や大腿部にも広がる傾向があります(写真22~30)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真22溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真23溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真24溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真25溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真26溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真27溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真28溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真29溶連菌感染症の足の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真30溶連菌感染症の足の紅斑

2)足指の変化として斑点ではなく、指の間に広がる紅斑もしばしば認められます(写真31、32)。写真32は咽頭ぬぐい液の溶連菌抗体検査で陽性になった例です。

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真31溶連菌感染症の足指の紅斑

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真32咽頭ぬぐい液の溶連菌抗体検査

3)顔や腕と同様に足にもにきびに似たような比較的大きな盛り上がった湿疹(丘疹)として現れることもあります(写真33)

溶連菌感染症の手足の皮膚の変化
写真33溶連菌感染症の丘疹

次のページで、溶連菌感染症について詳しく解説します。

※このサイトは、地域医療に携わる町医者としての健康に関する情報の発信をおもな目的としています。

※写真の利用についてのお問い合わせは こちら をご覧ください。

写真で見る「子どもの病気」


 上に戻る