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よく見られる子どもの病気・症状

インフルエンザ脳症

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インフルエンザの合併症の一つ、インフルエンザ脳症。
脳がはれ、呼吸が止まるなど全身状態が悪化し、進行が早く死に至ることもある危険な合併症です。専門家はインフルエンザに感染したときには、子どもの目の様子などの症状に注意する必要があると指摘しています。

発熱から数時間後

脳症は季節性では1〜3歳児を中心に、発熱後、数時間から1日で発症することが多く、感染後にタミフルを服用していても発症した例もあります。ウィルスに過剰に反応したためと考えられていますが、日本や台湾に多く、欧米では少ないのも特徴です。

インフルエンザにかかった子どもで脳症を発症するのは、1万人に1人と多くはありません。有効な治療法は確立されていませんが、治療法としては脳低体温療法やステロイドの大量投与など数種あります。

また、アスピリンなどの大人向けの解熱剤は、かえって脳症を悪化させることが分かっています。市販薬や過去に処方された薬を自己判断で使うのは避けるのが賢明です。

インフルエンザ脳症とは

季節性インフルエンザでは確認されているだけでも年間100〜200人が発症しています。そのうち1〜2割は亡くなり、3〜4割には知的障害やてんかん、四肢麻痺などの後遺症が出ます。

インフルエンザウィルスに感染すると、ウィルスを排除しようとして白血球が動員されます。白血球がウィルスを攻撃すると、白血球からはサイトカインといわれる種々の化学物質が放出されます。本来、サイトカインは人体の細胞に作用して、細胞の機能を調節するため重要な役割を担っています。しかし、白血球から過剰にサイトカインが放出され、アレルギーと同じ反応を起こすことが、インフルエンザ脳症の原因になっていることが分かってきました(サイトカインストーム)。サイトカインストームを起こす原因は不明ですが、ウィルスの量、体調、体質などが関係していると推測されています。

サイトカインストームを起こすと、脳では血管に作用し、血液の水分を漏出させ、脳のむくみ(脳浮腫といいます)を起こします。脳浮腫が起こると脳の圧が高まり、やがて脳は逃げ場を求めて延髄を圧迫するようになります(これを脳ヘルニアといいます)。脳ヘルニアが起こると、意識障害が起こり、呼吸が停止し、死に至ります。

アスピリンなどの解熱剤の多くは、血管から水分の透過性を亢進させるため、脳浮腫を助長し、脳症を起こりやすくすることが分かってきました。インフルエンザでは解熱剤は慎重にしないといけません。

脳浮腫は短時間に進行するために、数時間のうちに状態が悪化することがあります。脳浮腫の初期症状は、頭痛とおう吐です。頭痛とおう吐が激しいときには、脳症の始まりではないかと疑う必要があります。

難しいインフルエンザ脳症の見極め方

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インフルエンザ脳症の見極め方
(イラスト1)

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脳症のおもな初期症状は、けいれん、意識障害、異常な言動の三つです。

ただ、脳症以外でも高熱のためにけいれんを起こすことがあります。これは「熱性けいれん」と呼ばれ、後遺症などの心配もありません。急に部屋を走り回ったり、うわごとを言ったりするなどの異常な言動も、熱が高いときには起きやすく、脳症との見分けは難しいです。

インフルエンザ脳症で子どもを亡くした親らでつくる「小さないのち」http://www.chiisanainochi.org/ の調査では、視線が合うか、意志の疎通がとれるかを確認する、「とくに目の様子に注意を」と呼びかけています。眠り続けるように見えても、意識障害を起こしている場合もあるので注意が必要です。

専門家は、「けいれんや意識状態を医師以外の人が見極めるのは難しい。少しでも気になれば、まずかかりつけの小児科医に連絡を」と話しています。

一方、高い熱だけであわてないようにすることも大切です。脳症と熱の高さは必ずしも関係はないといわれています。意識がはっきりとして、水分がとれており、呼吸が正常なら、極端な高熱でない限り、首やわきの下を冷やすなどして家庭で対応することができます。

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