おたふくかぜと反復性耳下腺炎
おたふくかぜと反復性耳下腺炎
おたふくかぜは流行性耳下腺炎とも呼ばれます。耳下腺はだ液を作る働きがあり、耳たぶをはさむように位置しています。耳下腺が腫れてくると耳たぶをはさむように腫れてくる特徴があります。小児で耳下腺の腫れに気がついたときに考える病気は、おたふくかぜと反復性耳下腺炎の二つが代表的なものです。
この二つの病気の区別は簡単ではありません。両者とも耳下腺が腫れるという面からは同じであるため、耳下腺だけが腫れている場合には区別はできません。
おたふくかぜの診断は、2〜3日すると耳下腺の腫れが強くなり(写真1、2)、さらに反対側やあごの下(写真3、4)、舌の下の部分(写真5、6)も腫れてくると診断がはっきりとします。おたふくかぜでは流行があるため、周囲の流行の状況を確認することも診断に役立ちます。
反復性耳下腺炎の原因はまだはっきりと分かってはいません。反復性耳下腺炎ではたいていの場合、翌日には耳下腺の腫れが小さくなることが多いようです。両側が腫れることが少なくほとんどが片一方だけ腫れます。またあごの下や舌の下が腫れることはありません。反復性耳下腺はその名の通り繰り返し起こることがあります。今までにも起こしたことがあるかどうか確かめることも大切です(写真7、8)。
しかし、このような注意をしていてもおたふくかぜと反復性耳下腺炎の区別が困難なことがしばしばあります。診断をはっきりとさせることは、今後の予防接種などのために重要です。診断がはっきりとしないときには抗体検査で明らかにすることができます。
耳下腺の中でも化膿性耳下腺では耳下腺が細菌感染を起こすため、耳たぶをはさむようにして耳下腺が赤く腫れてきます。少し押さえただけでも痛みが強く、発熱を伴います。抗生物質の投与が必要になります(写真9)。
耳下腺炎と間違われやすいものに、虫歯などが原因で起こるあご付近の炎症性の腫れがあります。はれは耳たぶをはさむことはなく、あごだけに限られているため区別は簡単です(写真10)。
おたふくかぜの有名な合併症として髄膜炎があります。髄膜炎は耳下腺の腫れに気がついてから4日目前後に起こることが多く、高熱・激しい頭痛・吐き気を伴います。いかにも重篤な感じが強く、このような場合には髄膜炎の合併を疑います。睾丸炎はおとなのおたふくかぜで起こることが多く、小児では多くはありません。
まれに耳下腺やあごの下が一度に腫れずに、片一方ずつ順に腫れることがあります。このような場合は完全に腫れがひくのに1週間以上かかることがあります。
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