じんましんは小児の中で最もよくみられる皮膚の病気ですが、一口にじんましんと言っても典型的なものから、口唇にできる血管運動性浮腫と言われるもの、じんましんに似ていますが多型浸出性紅斑と診断されるものなど、皮膚の症状は多彩です。じんましんと多型浸出性紅斑とはっきりと区別できないような例も多くあります。
じんましん
典型的なじんましんの特徴は、(1)急に起こってしばらくすると跡形もなく消えてしまうこと、(2)かゆみが強いこと、(3)皮膚が盛り上がっていること の三つです(写真1〜4)。じんましんの原因は食べ物と分かる場合もありますが、学童期に入って起こるじんましんは特に原因が明らかでないことが多いものです。梅雨のように高温多湿の気候、季節の変わり目などに体調を崩すと起こりやすくなります。
小児期のじんましんはおとなのじんましんと異なり、比較的短期間で治ってしまいます。
じんましんは三つの条件がそろうと診断は簡単ですが、この三つの条件を持たないで、皮膚がむずむずとかゆくなり掻くと、みみず腫れのように赤い筋ができるものがあります(写真5)。これは赤色皮膚描記症と呼ばれ、じんましんのできる前段階と考えられます。皮膚の血管が敏感になっているという点ではじんましんとほぼ同じです。
血管運動性浮腫
じんましんの中には口唇や目の周囲(眼瞼)に起こるものがあります。これはじんましんとは呼ばないで、血管運動性浮腫(クインケ浮腫)と呼ばれます(写真6〜8)。数時間から数日で自然に治りますが、浮腫が消化管に起こると、悪心、腹痛、下痢、おう吐を起こすことがあります。また、気管支や喉頭に起こると声がかれるだけでなく、呼吸困難を起こすことがあり危険です。このような場合はステロイドがよく効きます。
多型浸出性紅斑
多型浸出性紅斑の特徴は、手足や顔に対称性に特徴的な標的状の紅斑(皮膚の発赤)を示します。はじめは赤色あるいはピンク色の発疹が、やがて扁平、標的状の浮腫性紅斑に変化し中心部に灰色の脱色部が見られるようになります(写真9〜17:写真9・10・11、写真12・13、写真14・15、写真16・17はそれぞれ同一症例)。3〜5週で自然に消え、あとは残しません。再発も見られ、年数回、数年以上くり返すこともあります。
多形浸出性紅斑の原因としては複数のものが上げられており、現時点では原因がはっきりしないということになっています。皮膚が過敏になる原因には、主に感染症と薬剤が考えられています。感染症としては半数以上で単純ヘルペスウィルスの関与が疑われています。
多型浸出性紅斑は予後良好な病気ですが、時に劇症型になる場合は、高熱(39−40度)が何日も下がらず、全身の発疹、リンパ腺のはれ、体中の粘膜のただれ、ぐったりして全身状態不良になります。
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