2リウマチ性多発筋痛症
リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上の高齢者に多く発症しピークは70-80歳とされています。男女比は1:2から1:3で女性に多く、病因は現在のところ不明です。「リウマチ」という名前はついていますが、関節リウマチとは別の病気です。
肩の痛みが最も頻度が多く(70-95%)、次いで頚部・臀部(50-70%)、大腿(太もも)の疼痛、こわばり感を認めます。
高齢者の方が、「急に両腕が肩より上に挙げられなくなって、両肩から上腕にかけてと太ももに筋肉痛がでてきた。朝に顕著なこわばりが出るようになって、着替えや寝返りがしにくい、起き上がりにくく体が動かしにくくなった」というのが最も多い症状です。
筋肉には圧痛があります。発症は比較的急速で、数日から数週間のうちに症状が出現して持続します。「筋痛症」とありますが、筋肉よりも肩関節の痛みが顕著に認められることが多いです。
こわばりはすべての患者さんで認め、肩や臀部、大腿などに、起床後最低30分は持続します。多くの場合、このこわばりは体を動かさずにじっとしていると強くなります。また、発熱、食欲不振、体重減少、倦怠感、うつ症状などを伴うこともあります。
こめかみ周囲の頭痛、噛む時のあごの違和感、視力障害、38℃以上の発熱を伴っていれば巨細胞性血管炎(側頭動脈炎)の合併も疑われます。
リウマチ性多発筋痛症で生じる痛みの部位(※赤丸は主な関節痛の部位)
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