8骨軟化症
骨軟化症の原因は、以前はビタミンDの不足が主でした。
ビタミンD欠乏の原因としては魚・乳製品の摂取不足および日光暴露を避ける生活習慣などが考えられます。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の悪化を心配するあまり、極端な食生活習慣に陥らないように注意すべきです。
現在ではビタミンD抵抗性くる病の成人型が主流になっています。これは、腎尿細管のリンの再吸収にあたって、障害が出てしまうことが原因とされています。 他にも、骨や軟骨の腫瘍や、がんなども原因になることがあります。血液検査では骨型ALP上昇、低カルシウム血症、低リン血症などから本症を疑います。
骨軟化症は、発症当初では自覚症状はほとんどありません。しかし、病気が進行すると体の様々なところで慢性的な痛みが発生してきます。姿勢を維持するために負担がかかる部位、とくに腰背部、股関節・膝関節・足の痛みや、骨が出ている骨盤・大腿骨・下腿骨などの圧迫痛がみられます。
進行すると、下肢や臀筋(おしり)の筋力低下による歩行障害(あひる歩行)、脊椎骨折により脊柱の変形(後わんや側わん)などが現れます。
症状が悪化すると、慢性的に痛む箇所は増えると同時に痛みが増し、骨自体が柔らかくなっていくので、骨が変形してしまい日常生活を送ることが困難となる場合があります。
9流行性筋痛症(ボルンホルム病)
流行性筋痛症はボルンホルム病とも呼ばれますが、バルト海のデンマーク領ボルンホルム島での流行から命名されました。
4日程度の潜伏期後、突然の発熱や咽頭痛で発症し、同時に筋肉痛が出現します。痛みは胸部や上腹部にみられることが多く、その強さの程度はいろいろです。胸痛が強く泣き叫ぶもの、痛みのために呼吸抑制をきたすもの、胸痛を訴えるだけで比較的平気なものなどさまざまです。呼吸運動や咳で痛みが増強することもあります。
痛みは頸部や手足に広がることもあります。痛みの症状から肺炎や心疾患を疑われたり、腹膜炎などの腸疾患と間違われやすいですが、ふつうは数日で軽快します。
原因ウィルスとしてはコクサッキーウィルスB型によることが多く、その他、コクサッキーウィルスA型やエコーウィルスの報告もあります。年齢としては小児にも成人にも起こりますが、30歳以下の若い人にみられることが多いです。
パレコウィルス3型による筋痛症の特徴としては、感冒様症状に加えて発症する筋肉の痛みが、胸部や上腹部でなくむしろ上腕や大腿に多くみられること、30~40歳を中心とした若い成人(特に男性)に多いこと、小児におけるこのウィルスの流行期に一致していること、などです。
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