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町医者の診療メモ:関節痛・筋肉痛と内科の病気 Dr.みやけの20年の経験で培われた一種の「診察のコツ」をまとめます。

B、おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み

5IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)

IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)は触れることのできる紫斑を下腿や臀部に認め、同時に腎炎、腹痛、関節痛を認める疾患です。10歳以下の小児に多く、4歳にピークがあるといわれています。
季節的には春に多く、約2/3で上気道の先行感染があります。小児や若者に多い疾患ですが、高齢者を含む成人での発症例も約10%あります。

膝関節や足関節など下腿の大きな関節に疼痛を認めることが多いです。腸管壁の血管炎に起因する悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血便などを認めます。皮膚症状とほぼ同時期に起こり、突然の腹痛(腸管アンギーナ)で病院受診することもあります。

検尿で尿潜血や尿蛋白を指摘されることが多いです。皮膚症状出現後1カ月以内が多いと言われています。時に重症な腎炎(急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群)に進行する場合もあります。

IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)で生じる痛みの部位
IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)で生じる痛みの部位

参考: http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000717.html

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町医者の診療メモ

町医者の診療メモ:はじめに

(よく見られる症状と診察のポイント)発熱

(よく見られる症状と診察のポイント)頭痛

内科から見た肩こり

めまい:脳からみためまいを中心に

関節痛・筋肉痛と内科の病気

  1. 首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み
    1. 強直性関節炎
    2. 反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎
    3. 軸椎歯突起症候群 crowned dens syndrome
    4. SAPHO症候群
    5. 多発性骨髄腫
    6. 骨軟化症
    7. 転移性脊椎腫瘍
    8. 中高年者の腰痛
    9. 化膿性脊椎炎
    10. 石灰沈着性頸長筋腱炎
    11. 脊椎・関節の疾患以外に起こる頚部や胸背部の痛み
  2. おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み
    1. 伝染性紅斑(りんご病)
    2. リウマチ性多発筋痛症
    3. 偽痛風
    4. 成人発症スティル病
    5. IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
    6. 関節リウマチ
    7. 化膿性関節炎
  3. おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み
    1. 関節リウマチ
    2. 痛風
    3. 反応性関節炎
    4. 乾癬性関節炎
    5. 膠原病
    6. 回帰性リウマチ
    7. ヘバーデン結節
  4. 不定部位に起こる関節痛や筋肉痛
    1. おとなのりんご病
    2. 線維筋痛症、慢性疲労症候群
    3. リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
    4. 低カリウム性ミオパチー
    5. 甲状腺ホルモンの異常
    6. パーキンソン病
    7. 副腎皮質機能低下症
    8. 骨軟化症
    9. 流行性筋痛症(ボルンホルム病)
    10. 各種の膠原病
    11. その他

血液検査からみた診断へのアプローチ

急な胸の痛み(胸痛発作)

いろいろある鎮痛薬

胸部レントゲン写真から考える肺疾患


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