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町医者の診療メモ:関節痛・筋肉痛と内科の病気 Dr.みやけの20年の経験で培われた一種の「診察のコツ」をまとめます。

C.おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み

3反応性関節炎

反応性関節炎では関節炎、仙腸関節炎、腱付着部炎を呈しますが、関節炎は主として下肢の関節に多く認められますが、1か所~数か所といったごく少数の関節にしか起こりません。骨盤と腰椎を連結する関節のことを仙腸関節と呼びますが、仙腸関節炎では腰部~臀部の痛みを自覚します。腱付着部炎はアキレス腱がかかとの骨に付着する部位あるいは足底腱膜がかかとの骨に付着する部位などに比較的高頻度に起こりやすいです。

関節痛は下肢の大きな関節に最も多くみられます。反応性関節炎は関節リウマチと比べて、左右対称に関節を巻き込むことは少ないです。腱が炎症を起こし痛むことがあります。病気が重いと、背中が痛むことがあります

・踵やアキレス腱の痛み
・腰部から臀部(仙腸関節)の痛み
・膝、足首、足指の関節痛と腫れ

反応性関節炎で生じる痛みの部位(※赤丸は主な関節痛の部位)
反応性関節炎で生じる痛みの部位(※赤丸は主な関節痛の部位)

また尿道炎であれば排尿時痛、結膜炎は結膜充血といった症状がみられることもあります。

一般的にこれらの症状が出現する1~4週間程前に尿路感染症もしくは細菌性の下痢といった細菌感染症を先行して起こしています。この時の細菌の種類によってその後の症状の出現の仕方が若干変わります。

反応性関節炎を起こす菌としては、不特定多数との性交渉をきっかけに感染しやすいクラミジア・トラコマチス、食中毒の原因菌であるサルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア、カンピロバクターなどが知られています。

やや詳しい説明は本サイトの(反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎)をご覧下さい。

参考: http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000734.html

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町医者の診療メモ

町医者の診療メモ:はじめに

(よく見られる症状と診察のポイント)発熱

(よく見られる症状と診察のポイント)頭痛

内科から見た肩こり

めまい:脳からみためまいを中心に

関節痛・筋肉痛と内科の病気

  1. 首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて脊柱に沿った痛み
    1. 強直性関節炎
    2. 反応性関節炎および炎症性腸疾患に伴う関節炎
    3. 軸椎歯突起症候群 crowned dens syndrome
    4. SAPHO症候群
    5. 多発性骨髄腫
    6. 骨軟化症
    7. 転移性脊椎腫瘍
    8. 中高年者の腰痛
    9. 化膿性脊椎炎
    10. 石灰沈着性頸長筋腱炎
    11. 脊椎・関節の疾患以外に起こる頚部や胸背部の痛み
  2. おもに肩・肘・手および股・膝・足など大きな関節の痛み
    1. 伝染性紅斑(りんご病)
    2. リウマチ性多発筋痛症
    3. 偽痛風
    4. 成人発症スティル病
    5. IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
    6. 関節リウマチ
    7. 化膿性関節炎
  3. おもに手首・手指の関節の痛みおよび足首・足指など小さな関節の痛み
    1. 関節リウマチ
    2. 痛風
    3. 反応性関節炎
    4. 乾癬性関節炎
    5. 膠原病
    6. 回帰性リウマチ
    7. ヘバーデン結節
  4. 不定部位に起こる関節痛や筋肉痛
    1. おとなのりんご病
    2. 線維筋痛症、慢性疲労症候群
    3. リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
    4. 低カリウム性ミオパチー
    5. 甲状腺ホルモンの異常
    6. パーキンソン病
    7. 副腎皮質機能低下症
    8. 骨軟化症
    9. 流行性筋痛症(ボルンホルム病)
    10. 各種の膠原病
    11. その他

血液検査からみた診断へのアプローチ

急な胸の痛み(胸痛発作)

いろいろある鎮痛薬

胸部レントゲン写真から考える肺疾患


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