3軸椎歯突起症候群(じくついしとっきしょうこうぐん)crowned dens syndrome
軸椎歯突起症候群(crowned dens syndrome)は第2頚椎である軸椎歯突起(dens)周囲のピロリン酸カルシウム結晶沈着によっておこる偽痛風発作で、頸部痛や頭痛、発熱などを認めます。
最近は決してまれではなく、高齢者における炎症所見を伴う頸部痛の原因疾患として重要と考えられています。
軸椎歯突起症候群(crowned dens syndrome)で生じる痛みの部位
頸部CTでは軸椎歯状突起周囲に石灰化を認めるため、王冠をかぶったような画像を示します。
60歳以上の女性に多く、突然首の激しい痛みのため、寝ちがえたように首が回らなくなります。数日ないし数週間持続し、時にはそれをくり返すことがあります。痛みが強く頸椎の運動が制限されるため、項部硬直や jolt accentuation test が疑陽性となりますが、髄膜炎と間違えないようにします。
下顎部の疼痛、上肢の疼痛を伴う筋力低下を生じることもあります。しばしば38度近い発熱を伴います。検査ではCRP陽性、白血球増多、赤沈の亢進なども認められます。
*偽痛風とは
偽痛風という関節炎は、ピロリン酸カルシウム結晶沈着症の中で急激に関節炎を起こして、痛風と似た経過をたどるものを指しています。X線写真では、関節に石灰化が認められることが多く、慢性の経過で関節炎を起こすこともあります。
痛風様の急性関節炎・関節周囲炎(偽痛風発作)をおこしますが、症状の全くない時もあります。典型的には、高齢者の膝などの大関節に単独で認められることが多く、手、足、肘、肩、股の関節などにも認められます。
参考:
http://blog.goo.ne.jp/da350350350/e/ab549349ba7aa45c2f7b283cb987bc1b
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/cat1/
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