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予防接種Q and A

〈海外旅行者のための予防接種の知識 2〉コレラ

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Q1:コレラの流行について教えて下さい。

Dr.みやけ

A1:コレラは法定伝染病ですが国内に常在しない伝染病であることから検疫伝染病とも呼ばれています。

全世界におけるコレラの流行状況はWHOの統計によってみることができますが、おもな発生地は東南アジア、インド、バングラディッシュやアフリカなどで患者の大部分を占めています。

先進国のほとんどは輸入コレラの侵入を受けているわけです。今日のように航空機による国際間の往来が短時間に行われる状況では、潜伏期間中(1-5日)の患者が入国することは当然ある得ることで、検疫にすべてを期待することが困難になってきています。

流行地の発生状況も届け出によるものなので、届け出がなければ集計に表れません。実態ははるかに大きいということを認識しておくべきです。

Q2:コレラの予防対策について教えて下さい。

Dr.みやけ

A2:コレラは水や食品を介する経口感染による伝染性疾患です。予防対策としては上下水道の整備が重要であり、食品衛生の向上など環境衛生対策を進めることが重要です。

食品の多くを海外からの輸入に依存している我が国としては、コレラ汚染地域(おもに東南アジア)から輸入される生鮮魚介類について十分な監視が必要になります。

我が国におけるコレラはすべてエルトール型によるもので古典的コレラのように重症例はほとんどありません。旅行者がコレラにかかることはまれで、米国の統計では旅行者10万に0.2人と推定されています。感染源はおそらくシーフードサラダ、刺身などで、さらに患者が知らずに泳いだ海域の海水も考えられます。岸辺に建っているホテルなどの下水が、未処理のままあるいは不完全処理のまま、海水に流入している可能性もあります。

Q3:コレラワクチンは有効ですか?

Dr.みやけ

A3:コレラワクチンの効果については多くの報告があり、これらを総合すると今のワクチンは明らかな感染防御効果がありますが、その効果は2回接種後でも数ヶ月といわれています。

より有効なワクチンの開発が試みられていますが、実用化の見込みはまだありません。

WHOはコレラの予防接種は無効であるとの宣言をしました。生水、生ものを食べない注意の方が予防効果が高いのが現状と言えるかもしれません。

Q4:コレラワクチンの予防接種の方法と副反応について教えて下さい。

Dr.みやけ

A4:1歳以上が対象で、5-7日の間隔で回皮下に注射します。

追加接種についてはとくに規定はありませんが、6ヶ月以内に第1回量を注射するとよいといわれています。

注射部位の発赤、腫脹、疼痛が、全身反応としては発熱、頭痛、倦怠感などがありますが、ふつう2-3日で消失します。

Q5:コレラワクチンの接種が入国の際に要求されることはありませんか?

Dr.みやけ

A5:凍結乾燥ワクチンを溶剤で溶解し、十分に振り混ぜて均等にしてから0.5ccを1回0.5ccを皮下注射します。

免疫は約一週間後から生じ長年持続しますが、10年経過したら再接種が必要です。

ワクチンは鶏卵中でウィルスが培養されて合成されるので、鶏卵にアレルギーのある人は接種できません。白血病や免疫不全の病気を持っている人も接種はできません。副反応は、約10%に接種後7~14日後に発熱や不快感がみられることがありますが一時的なものです。
妊婦は禁忌となっていますが、黄熱罹患は致命的なので、黄熱流行地に行かざるを得ない時は受けた方がよいと考えます。6ヶ月未満の乳児については成長を待って接種した方がよいでしょう。

Q6:コレラワクチン接種後どのくらい間をあけると次の予防接種が可能ですか?

Dr.みやけ

A6:コレラワクチンは不活化ワクチンなので、1週間の間隔で次の予防接種を受けることができます。

Q7:コレラに感染しやすい人はありますか?

Dr.みやけ

A7:コレラ菌は感染力は弱く、健康な旅行者がかかることは多くはありません。

コレラ菌は酸性に弱く、胃液はコレラ菌に対して強力な殺菌作用を持っています。重曹水で胃液を中和してコレラ菌を飲むとコレラに感染しやすかったという実験結果があります。

したがって、コレラ菌の汚染地域を旅行する時は、重曹の入った制酸剤や胃潰瘍などで処方される強力な制酸剤は控えた方がよいといえるでしょう。また胃切除を受けている人も胃酸の分泌が少ないのでこれらの地域への旅行は避けた方がよいでしょう。

コレラ流行地でコレラにかかる理由は、食物といっしょにコレラ菌が体内に入ると、食物により胃液がかなり中和されて殺菌力が低下するのが一つの原因と考えられています。

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