※このQ&Aは平成24年時点の情報を元に作成しています。最新の情報は予防接種情報(厚生労働省)をご覧ください。
平成24年に4月に承認されたポリオの不活化ワクチンなど、乳幼児が接種すべき新たなワクチンがここ数年で次々と増えてきました。
とくに生後6ヶ月までの予防接種スケジュールは従来と大幅に変わり、日程管理は親にとって頭の痛い問題になりつつあります。専門家は、「計画表を活用して、同時接種で効率よく進めて」とアドバイスしています。
厚生労働省は2007年以降、インフルエンザb型(ヒブ)、小児用肺炎球菌、ロタウィルス、不活化ポリオ、と0歳から接種できる4種類のワクチンを相次いで承認しました。
予防接種には、法律で接種が定められた「定期接種」と、保護者の希望で行う「任意接種」があります。不活化ポリオは平成24年秋から定期接種になることが決まりましたが、ほかの3種は任意接種です。ヒブと肺炎球菌については今後定期接種になる予定で、接種費用も国の負担ですが、ロタウィルスは一部地域を除いて自己負担の予定です。そもそも、任意接種はどこまで受ける必要があるのでしょうか?
専門家は、「日本の任意接種は、国連が定期接種に推奨しているものばかりで、どれも重要で、受けなくていいワクチンは一つもない」ことを指摘しています。
たとえば、ロタウィルスですが、おう吐や下痢、発熱がおもな症状で、5歳までに誰もが一度は感染すると言われるありふれたウィルスですが、インフルエンザ、突発性発疹に次ぐ脳炎の原因であることはあまり知られていません。
さらに、「日本は今でもワクチンで防げる病気(VPD)による被害が多く、生後2ヶ月を「ワクチンデビュー」と考え、かかりつけ医とよく相談して接種スケジュールを立てる」ことを勧めています。
効率よく接種を進めるために欠かせなくなったのが、2種類以上のワクチンを一度に接種する「同時接種」です。保護者の希望に沿って、一度に数種類のワクチンを組み合わせるスケジュールを作成するのが、「同時接種」です。いわば、オーダーメイドの予防接種スケジュールです。
健康状態がよければ、同時接種で副作用の危険が高まることはないと言われています。最初は1種類ずつにして、徐々に増やしていくことも可能です。体調が悪くて受けられない場合でも、次に1種類増やせばスケジュールが狂わずにすむことになります。
NPO法人「VPOを知って、子どもを守ろう会」は「予防接種スケジューラアプリ」をスマートフォン用に開発しました。推奨ワクチンの表示や接種予定の通知などの機能があり、任意接種の定期接種化など、新たな動きがあるたびにアップデートされます。同会のHPには、0歳児の予防接種スケジュール案が公開されています(http://www.know-vpd.jp/)。
《参考文献》
2011(平成23年)予防接種に関するQ&A集(岡部 信彦、多屋 馨子ら):一般社団法人日本ワクチン産業協会 から転記(一部変更)
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