皆様からよく聞かれる質問や疑問にについて Q and A 形式にまとめてみました。このページでは、「インフルエンザの予防接種」について解説しています。
- 1.インフルエンザの最近の流行について教えてください。
- 2.インフルエンザHAワクチンについて教えてください。
- 3.予防接種スケジュールについて教えてください。
- 4.インフルエンザHAワクチンの副反応はどのようなものがありますか?
- 5.ワクチン接種について、効果的な接種時期はいつでしょうか?
- 6.ワクチンに使われる株の決定方法について教えてください。
- 7.インフルエンザワクチンを2回接種する場合の接種間隔は、4週がもっともよいとされています。その理由を教えてください。
- 8.13歳以上は何回接種すればよいでしょうか?
- 9.ワクチン接種を受けた人から、「かぜ」をひいてしまったといわれました。どうしてですか?
- 10.ワクチンを毎年連続して接種する理由を教えてください。
- 11.ワクチン接種の対象者を教えてください。
- 12.卵アレルギーの子どもにインフルエンザワクチンを接種してもよいでしょうか?
- 13.インフルエンザワクチン接種後の免疫の持続は、どのくらい続くのでしょうか?
- 14.流行株の型(たとえば、ソ連型・香港型)について教えてください。
- 15.インフルエンザワクチン接種は経済的にも効果があるでしょうか?
- 16.株が変わると接種回数が変わるのですか?
※このQ&Aは平成24年時点の情報を元に作成しています。最新の情報は予防接種情報(厚生労働省)をご覧ください。
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Q1:インフルエンザの最近の流行について教えてください。
A1:わが国ではインフルエンザは、通常初冬から春先にかけて毎年流行します。
平成21(2009)年冬シーズンまでは、Aソ連型(H1N1亜型)、A香港型(H3N2亜型)、B型の3種類が同時に、あるいは混在して、それぞれが毎年少しずつわずかな変異を続けながら(小変異又は連続変異)流行していました。
しかし、平成21(2009)年4月にメキシコでインフルエンザ様疾患の多発と肺炎死亡例の集積が探知される一方、同年3月下旬に米国カリフォルニア州でインフルエンザ様症状を呈した小児からブタ由来の新しいA/H1N1亜型インフルエンザウイルスが検知されたことが確認され、このウイルスとメキシコで流行した肺炎のウイルスが同一であることも確認されました。
その後、このウイルスの感染は世界各国に拡大し、4月25日、国際保健規則に基づき招集された緊急委員会の助言に基づき、世界保健機関は、「国際的に懸念すべき公衆衛生上の危機」であると宣言しました。
なお本ウイルスは当初ブタ由来インフルエンザウイルス:H1N1とよばれましたが、いくつかの変遷を経て、最終的にA/H1N1pdm(2009年のパンデミックインフルエンザウイルス)とよばれています。
わが国でも平成21(2009)年5月9日に、カナダから米国デトロイト経由で帰国したインフルエンザ様症状を呈した高校生2名と教員1名から採取された検体から、PCR検査の結果、A/H1N1(2009)ウイルスが検出され、国内で初の患者を確認しました(正式には入国前の検疫所での確認のため、国内発生とはなりません)。
今回(平成21年/2009)のパンデミックインフルエンザの臨床像は、従来の季節性インフルエンザと重症度はほぼ同等で、合併症なく自然治癒することがほとんどですが、肺炎やインフルエンザ脳症などを併発して重症化する症例が報告されました。
特に、急速に進行する重症のウイルス性肺炎を起こすことが少なからずみられ、喘息や慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患の存在が急激な悪化と関連しているといわれています。
インフルエンザは、ほとんどが自然治癒する疾患ですが、肺炎、気管支炎のほか、脳症・脳炎、ライ症候群、心筋炎、中耳炎などの合併症を併発して、重症になったり生命の危険がある場合があるので、パンデミックインフルエンザの重症度が季節性インフルエンザと同等としても侮るわけにはいきません。
季節性インフルエンザの場合は、ワクチン接種を行うと、インフルエンザに罹患しにくくなる、あるいは罹患しても症状の重症化を抑えることができ、合併症を併発したり死亡する危険性を抑えられるため、国内では特に肺炎で重症化しやすい高齢者に対して定期接種として接種することが勧められていました。
しかし、平成21(2009)年のパンデミックインフルエンザは、高齢者より、むしろ小児の入院例が多く報告されました。
インフルエンザはワクチン接種を受けていても罹患することがあります。発症予防を主な目的にしているものではなく、あくまでも重症化予防を主目的とするワクチンであることを認識する必要があります。
平成23(2011)年3月31日、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」第44条の2第3項の規定に基づき、同年4月1日からパンデミックインフルエンザウイルス感染症は通常の季節性インフルエンザウイルスとして取扱うことになり、行政的な名称も新型インフルエンザ(A/H1N1)から通常の季節性インフルエンザに変わりました。
対策も通常のインフルエンザ対策に移行しましたが、インフルエンザ対策は変わらず必要です。
Q2:インフルエンザHAワクチンについて教えてください。
A2:インフルエンザHAワクチンはA型株およびB型株をそれぞれ発育鶏卵内で培養し、増殖したウイルスを含む尿膜腔液を採り、ゾーナル遠心機を用いたショ糖密度勾配遠心法により精製濃縮後、エーテルを加えてウイルス粒子を分解し脂質を除き、HA画分浮遊液を採取します。これをホルマリンにより不活化した後、リン酸塩緩衝塩化ナトリウム液を用いて規定濃度に混合調製した液剤です。
今回のA/H1N1(2009)ウイルスに対するワクチンも、国内では従来の季節性インフルエンザワクチンと同じ製造方法を用いて製造が行われました。
平成22/23(2010/11)年および平成23/24(2011/12)年シーズンについては、季節性インフルエンザワクチンの中に、A/H1N1(2009)ウイルスワクチン株が含まれ、A/H3N2亜型1株とB型1株とともに3価ワクチンとして製造されています。
Q3:予防接種スケジュールについて教えてください。
A3:生後6カ月以上~13歳未満は2回、13歳以上は1回又は2回です。
1)接種の回数
生後6カ月以上~13歳未満は2回、13歳以上は1回又は2回です。高齢者においては1回接種と2回接種でその効果に大きな差はないとする成績があり、65歳以上および基礎疾患を有する60~64歳に対する定期予防凍種では1回接種となっています。
ただし、13歳以上60歳未満の接種回数は1回又は2回とされ、接種希望者や接種医の判断にゆだねられていますが、平成21(2009)年のパンデミックインフルエンザに対するA/H1N1pdmウイルスワクチン株の検討で、妊婦を含めて、13歳以上は1回接種とされました。その理由として、1回接種で国際的な評価基準を上回る十分な抗体価が認められたこと、抗体価の上昇について、1回接種と2回接種に差がみられなかったことが挙げられます。
なお、著しく免疫反応が抑制されている者は被接種者と相談の上、2回接種としても差し支えないとされました。しかし、年少児では、1回の接種では十分な免疫が得られないため、わが国では13歳未満の接種回数は2回接種となっています。
2)2回接種を行う場合の接種間隔
1~4週の間隔ですが、より高い免疫効果を考慮すると3~4週おくことが望ましいとされています。なお、平成23/24(2011/12)年シーズンのワクチンから、生後6カ月以上~13歳未満の小児に対する接種量が変更され、接種間隔も2~4週の間隔に変更となりました。
3)接種量
0.5mLを皮下に、1回又はおよそ1~4週間の間隔をおいて2回注射します。ただし、3歳から13歳未満の者においては0.5mL、生後6カ月以上~3歳未満の者には0.25mLずつ2~4週間の間隔をおいて2回注射します。(ただし、一部メーカー製品は1歳以下の適応は目下のところありません。)
Q4:インフルエンザHAワクチンの副反応はどのようなものがありますか?
A4:局所の発赤、腫脹、疼痛などが主な副反応です。
全身反応として、発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、嘔吐・嘔気、下痢、食欲減退、関節痛、筋肉痛などがありますが、通常2~3日中に消失します。
過敏症としてまれに発疹、じんましん、湿疹、紅斑、掻痒感などがあります。また、極くまれにアナフイラキシー様症状、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群)、けいれん(熱性けいれんを含む)、肝機能障害、喘息発作、血管炎(アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、白血球破砕性血管炎等)、間質性肺炎、脳炎・脳症、脊髄炎、皮膚粘膜眼症候群などの報告があります。
季節性インフルエンザワクチンの副反応については、定期接種(二類)の対象者である65歳以上の者と、一部60~64歳の者については、実施要領に基づき、市区町村長から都道府県を経て厚生労働省に報告が行われています。一部、重篤な報告については、直接厚生労働省にも同時に報告されるしくみとなっています。
一方、平成21/22(2009/10)年シーズンおよび平成22/23(2010/11)年シーズンのパンデミックインフルエンザに対するワクチン接種は国家事業として実施されましたので、受託医療機関において、接種後の副反応を認めた場合は、厚生労働省に直接FAXで副反応報告書を送信するという形式で、ワクチン接種と関連があるか、ないかに関わらず報告が行われました。
副反応の頻度、内容については、厚生労働省から公開されています。
それによると、平成21/22(2009/10)年シーズンについては、平成21(2009)年10月19日~平成22(2010)年6月30日までに接種された推定接種者数22,833,137回分のうち、医療機関からの副反応報告数は2,428人(0.01%)で、うち重篤報告数は416人(0.002%)、このうち死亡報告は133人(0.0006%)でした。平成22/23(2010/11)年シーズンについては、平成22(2010)年10月~平成23(2010)年3月31日までに医療機関に納入された数量から算出した推定接種可能人数49,460,846回分を分母にして算出すると、医療機関からの副反応報告数は673人(0.001%)で、うち重篤報告数は129人(0.0003%)、このうち死亡報告は16人(0.00003%)でした。
Q5:ワクチン接種について、効果的な接種時期はいつでしょうか?
A5:インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行を繰り返しています。
これに対応するため、原則的には予防接種は毎年必要です。効果的な接種は、従来の季節性インフルエンザの国内流行期が通常12月から翌年3月頃でしたので、これに備えて少なくとも12月中旬までには接種が終了するような接種計画を組むことです。
平成21(2009)年のパンデミックインフルエンザのピークは11月末でしたが、平成22(2010)年のインフルエンザの流行は例年通り1月末にピークを迎え、その後増減を繰り返しながら漸減し、第22週に定点あたり報告数1.0未満となりました。
以上より、平成22(2010)年第36週以降平成23(2011)年第22週までの推計受診患者数は累積で約1.376万人(95%信頼区間:1.343万人~1.410万人)と報告されています。
例年10月初めにそのシーズンのワクチンが接種できるようになります。2回接種の場合、おおむね10月と11月に、1回接種の場合は、11月末までに接種を完了しておくとよいでしょう。
Q6:ワクチンに使われる株の決定方法について教えてください。
A6:世界的には、WHOの専門家会議で次シーズンに向けたインフルエンザワクチンに用いる推奨株が毎年2回(北半球用と南半球用)選定されます。
わが国では国立感染症研究所で、厚生労働省健康局長の依頼によって外部有識者を含むインフルエンザワクチン株選定のための検討会議を開催し、WHO推奨株を参考にして、あわせてわが国の流行状況や国民の抗体保有状況などから予測を行い、また、ワクチンの製造に適した株(卵での増殖がよいことや、継代による抗原性の変化がないことなどの検討)を選択し厚生労働省に報告します。
これを受けて毎年5~6月頃に次のシーズンのワクチン株が厚生労働省より最終決定されて公表されます。
Q7:インフルエンザワクチンを2回接種する場合の接種間隔は、4週がもっともよいとされています。その理由を教えてください。
A7:原則的には、接種間隔は1~4週間です。
平成23/24(2011/12)年シーズンから生後6カ月以上~13歳未満の小児についてのみ、2~4週間隔で2回接種することに変更になりました。
早期に有効な免疫を与えるために、13歳以上では1週の間隔で接種ができるようになっていますが、より免疫効果を高めるためには、3~4週間隔で接種することが最適です。
これは2回のワクチン接種間隔を1週間から4週間の4群に分けて、インフルエンザ様疾患による学級閉鎖率を調べると、4週間隔の群がもっとも閉鎖率が少なかった報告などが、理由の1つと考えられます。
Q8:13歳以上は何回接種すればよいでしょうか?
A8:65歳以上の人は1回接種で十分効果があるという報告から、高齢者は従来から、1回接種を公費負担(定期二類疾病)で実施されています。
13歳以上65歳未満の人については、近年罹患していたり、前年予防接種を受けている人は、1回接種でも追加免疫の効果で十分な免疫が得られると考えられてきました。
しかし、平成21(2009)年12月16日付の厚生労働省の発表によると、パンデミックインフルエンザワクチン(A/H1N1(2009)ウイルス株)について、
- 「健康成人」および「65歳以上の者」については、1回接種とする。「健康成人」には「中高生に相当する年齢の者」に該当しない18歳および19歳の者を含む。
- 「妊婦」を対象とした臨床試験において、1回接種で国際的な評価基準を上回る十分な抗体価の上昇が見られたことなどから、1回接種の方針を維持する。
- 「基礎疾患を有する者」は1回接種とするが、著しく免疫反応が抑制されている者は2回接種としても差し支えないものとする。
- 「1歳から小学校6年生に相当する年齢までの者」は2回接種とする。なお、中学1年生に相当する者であっても接種時に13歳になっていない者については、2回接種とする。
- 「中高生」を対象とした臨床試験において、1回接種で国際的な評価基準を上回る十分な抗体価の上昇が見られたことなどから、中高生に相当する年齢の者については、1回接種とする。
となりました。
海外でインフルエンザワクチンを導入している国では、小児あるいは初めての接種年を除き、翌年から毎年1回接種としているところがほとんどです。
Q9:ワクチン接種を受けた人から、「かぜ」をひいてしまったといわれました。どうしてですか?
A9:かぜとインフルエンザが同じものであるという誤解からくるものがほとんどですが、ワクチン接種後の「かぜ」の感染・発病には以下の理解が必要です。
インフルエンザワクチンは不活化し病原性をなくしているため、ワクチンが原因でインフルエンザを発症することはありません。
インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスにしか効果を発揮しません。「かぜ」とはいわゆるかぜ症候群のことを指しますが、非常に多くの病原体によって生じた軽い症状の総称です。したがってインフルエンザワクチンは他のかぜ症候群ウイルスには効果がないのは当然です。
また、インフルエンザに対するワクチンの効果は総じて約70~80%程度、就学前の小児では20~30%程度といわれており・ワクチン接種を受けた人であっても、インフルエンザウイルスに感染・発病することがあります。インフルエンザとかぜの違い、インフルエンザワクチンの効果などについてよく理解することが大切です。
Q10:ワクチンを毎年連続して接種する理由を教えてください。
A10:インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行しますので、ワクチンは毎年そのシーズンの流行を予測して、流行すると考えられるウイルスを用いて製造されます。
また、現在のインフルエンザワクチンの発症予防効果は人によってはおよそ5カ月程度となります。したがって、前年と同じワクチン株であっても次の年のワクチン接種は必要です。
Q11:ワクチン接種の対象者を教えてください。
A11:65歳以上の高齢者および60~65歳未満で特定疾患の方に対しては、予防接種法に基づく定期接種(二類疾病)の対象となり、予防接種が必要な対象者とされています。
また、定期接種の対象者でなくても基礎疾患を有する方〔気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性心疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症の方〕などは、インフルエンザに罹患すると重症化のおそれがあるのでワクチンによる予防が望ましいと考えられます。
さらにこのような人々がインフルエンザにかからないようにするため、同居やお世話をしている方、医療従事者にもワクチン接種は勧められます。
その他、インフルエンザの罹患あるいは重症化をあらかじめ防ごうとする方々全員が対象となりますが、平成23(2011)年7月の時点では、予防接種法で定められた二類の対象となる方以外は任意接種となります。
Q12:卵アレルギーの子どもにインフルエンザワクチンを接種してもよいでしょうか?
A12:ワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造されています。
近年は高度に精製されていますがごく微量の鶏卵由来成分が残存し、これによるアレルギー症状がまれに起こることもあります。
したがって、卵アレルギーの人は接種要注意者に該当します。インフルエンザにかかった場合のリスクと卵アレルギーの程度によりワクチン接種に伴う副反応とのバランスを考慮し、接種を判断します。
Q13:インフルエンザワクチン接種後の免疫の持続は、どのくらい続くのでしょうか?
A13:接種する人が過去にどのようなインフルエンザウイルスにかかったのか、予防接種を行ってきたのかなどにより、個人個人で免疫環境が異なることから、免疫の持続についても大きく個人差があります。
なお、2回接種した成績によりますと、接種1~2週後に抗体が上昇し始め、2回目の接種1カ月後までにはピークに達し、3~4カ月後には徐々に低下傾向を示します。
したがって、ワクチンの予防効果が期待できるのは接種後2週から5カ月程度と考えられています。なお、接種から5カ月経つと、免疫が全く消えてしまうわけではありません。ここに個人差があります。
Q14:流行株の型(たとえば、ソ連型・香港型)について教えてください。
A14:ヒトのインフルエンザウイルスはA型、B型およびC型に大別され、さらにA型はH1N1(ソ連型と平成21(2009)年に発生したパンデミックウイルス)亜型、H2N2(アジア型)亜型およびH3N2(香港型)亜型というような亜型に分類されています。
H1N1亜型は従来、ソ連型と呼ばれて、昭和52(1977)年から流行を繰り返してきました。また、H3N2亜型は香港型といわれて、昭和43(1968)年から流行を続けています。
平成21(2009)年までは、Aソ連型、A香港型およびB型の3種類による流行となっていましたが、平成21(2009)年のパンデミックインフルエンザ発生以降は、Aソ連型と呼ばれてきたウイルスは、世界中でほとんど分離されなくなりました。平成23(2011)年5月現在、世界で分離されているH1N1亜型のウイルスは、ほとんどが平成21(2009)年に発生したH1N1pdm(2009年のパンデミックインフルエンザウイルス)ウイルスです。
インフルエンザウイルスの名前は、そのウイルスが初めて分離された土地(初めて流行した、という意味ではない)の名称がつけられています。たとえば、A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)という場合は、平成11(1999)年にニューカレドニアで分離された20番のAソ連型(H1N1亜型)のウイルスという意味になります。
Q15:インフルエンザワクチン接種は経済的にも効果があるでしょうか?
A15:経済的効果はあります。
インフルエンザに屏息すると日常生活に支障を来したり、インフルエンザ患者の身の回りの世話や医療が必要となる場合もあり、その経済的損失は決して小さくはありません。
Q16:株が変わると接種回数が変わるのですか?
A16:ワクチン株が変わっても、基本的に生後6カ月以上~13歳未満は2回、13歳以上は1回又は2回であることに変わりはありません。
65歳以上の人は1回接種で十分効果があるという報告から、高齢者では1回接種でよいことにも変わりはありません。
《参考文献》
2011(平成23年)予防接種に関するQ&A集(岡部 信彦、多屋 馨子ら):一般社団法人日本ワクチン産業協会 から転記(一部変更)
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