- 1.カゼの後にニオイや味が分かりにくくなりました。どうしてですか?
- 2.かぜをひくと口内炎がよくできます。なぜですか?
- 3.肺炎はどんな場合に起こりやすくなりますか?
- 4.熱やせきの出ない肺炎はありますか?
- 5.夜になると咳こみがひどく、何日も続いて苦しいのですが?
- 6.かぜで中耳炎が起こりやすいのはなぜですか?
- 7.かぜの呼び方にはいろいろあるのはどうしてですか?
- 8.どうして鼻水の色が透明から黄色、緑色に変わるのですか?
- 9.アレルギー鼻炎とかぜのくしゃみ・鼻水はどうして区別できますか?
- 10.どうしてかぜで鼻がつまるのですか?
- 11.かぜがこじれたら?
- 12.かぜは万病の元 と言われますがどうしてですか?
- 13.肺炎を起こしたら入院しなければ治りませんか?
- 14.肺炎が治ったかどうかどうして分かりますか?
- 15.マイコプラズマ肺炎とはどんな肺炎ですか?
- 16.家庭で子どものかぜをみるときの注意はどんなことがありますか?
- 17.子どもが熱性けいれんをよく起こしますが?
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Q1:カゼの後にニオイや味が分かりにくくなりました。どうしてですか?
A1:本HPをご覧ください(クリックしてください)。
家庭での医学-大人-味覚障害と舌の痛み
家庭での医学-大人-ニオイの障害(嗅覚障害)
Q2:かぜをひくと口内炎がよくできます。なぜですか?
A2:口内炎には2種類あると考えられます。アフタ性口内炎と単純ヘルペスによる口内炎の二つです。
この両者の区別は簡単ではありません。口腔粘膜にできる単発の比較的大きな口内炎はアフタ性口内炎と思われますが、一方予想以上に単純ヘルペスによる口内炎は多いものと思われます。
単純ヘルペスは口唇周囲に出たときには「ねつのはな」という名で知られています。単純ヘルペスによる水ほうは口腔内にもできやすく、舌にできると白い小さなブツブツとなり、強い痛みを伴います。また口腔粘膜に比較的小さな口内炎が二つ、三つと複数できるとき、舌の裏にできるとき などは単純ヘルペスによるものと思われます。
また「あくち」と表現される口角炎の一部も単純ヘルペスが原因と考えられます(口角炎はカンジダや細菌感染でも起こります)。また、硬口蓋といわれる上あごにも単純ヘルペスが起きることがあります。
単純ヘルペスウィルスはほとんどの人の体の中に存在します。ふつうは抗体によりウィルスの活動は抑えられていますが、発熱や疲労、日光の刺激などにより抗体による抵抗力が弱くなるとウィルスが増えてきます。その結果、水ほうとして現れてきます。口の周囲や口の中は単純ヘルペスによる水ほうができやすいところです。
*本HPもご覧ください(クリックしてください)。
家庭での医学-大人-単純ヘルペス感染症(大人)
家庭での医学-大人-口の中の病変
Q3:肺炎はどんな場合に起こりやすくなりますか?
A3:肺炎は子ども、成人、高齢者など年齢によって起こり方が少しずつ異なってくる印象があります。
乳幼児の肺炎は所見に乏しく、軽いかぜの症状でレントゲン上肺炎の陰影がみられることがあります。このような肺炎はウィルス感染に引き続いて起こることが多く、かぜのウィルスが気道の防御機能を破壊してしまうのが原因と考えられます。
小さい子どもは自分で苦痛を訴えることができないので、周囲が体調の変化に気がつく必要があります。軽いかぜの症状と食欲低下の後に、急に39度以上の高熱と呼吸困難を生じてきます。
4,5際までの子どもがピーナッツなどナッツ類を食べると、誤って気管支に入り込みやすくなります。一度ピーナッツの粒が気管支にはいると、異物と油脂のせいで頑固な肺炎を起こしやすくなります。
異物の除去のために手術が必要になることもあり、少なくとも5,6歳まではピーナッツなどナッツ類の入ったお菓子は避けましょう。
年長児になると成人と同じような経過をとって肺炎を起こすことが多くなります。はじめは発熱と強いせきで始まります。
多くのかぜの場合発熱は数日で治まるものですが、発熱とせきが4,5日たっても良くならないときには、肺炎を疑いながら胸部レントゲンや血液検査を行う必要があります。聴診器で注意していても肺の呼吸音に変化がみられない肺炎も多く、5日以上発熱とせきが続くときには、レントゲン撮影を受けることは肺炎の予防のためにたいへん重要であると考えています。
内科外来では30~40歳代のふだん健康な人の肺炎が多くみられます。このような成人の肺炎も年長児と同様に4,5日以上続く発熱とせきは胸部レントゲンを撮影する というルールを守っていれば肺炎の診断は難しくはありません。
成人の肺炎はかぜをひいても仕事の関係で休養をとることができず、無理をして仕事を続けているうちにこじれて肺炎を起こしてしまった例がほとんどです。肺炎を起こしてしまうと長期間の休養が必要となってしまいます。
かぜの引きはじめの2、3日の休養を取るか取らないかで結局大きな違いが出てしまいます。かぜをひいたらくれぐれも無理をしないようにしてください。
高齢者の肺炎は成人とはかなり異なってきます。基礎疾患といわれるさまざまな別な病気を持っている高齢者の肺炎は、肺炎の原因なる最近の種類が異なってきます。
院内感染症もその一例ですが、抗生物質に対して細菌が耐性を持っていて効果が出にくいことが多く、致死的になることがあります。また、高齢者の肺炎の中には誤えん性肺炎と呼ばれるものがあります。これは睡眠中などに胃液が、細菌とともに食道を逆流して気管支に流れ込んで起こるものです。
ほかに原因が見あたらない高齢者の肺炎の多くが、誤えん性肺炎であるともいわれています。高齢者が肺炎を繰り返すときには誤えん性肺炎を疑っていく必要があります。
またガン年齢を迎えた世代の肺炎では、基礎疾患として肺ガンなどがないか常に注意を払う必要があります。気管支が肺ガンのために詰まってくると、閉塞性肺炎といってレントゲン上肺炎の陰影を示してきます。
発熱を伴い抗生物質で軽快するためふつうの肺炎と思われがちですが、肺ガンを見落とさないように注意すべきです。同様に肺結核も肺炎の所見を示してくることがあります。肺ガンや肺結核の診断は必ずしも容易ではありません。
胸部CTや喀痰検査、また肺炎が治っても胸部レントゲンで経過をみる などの注意が必要です。少しでも疑わしければ専門病院に紹介をするべきでしょう。
Q4:熱やせきの出ない肺炎はありますか?
A4:原則として肺炎は高熱とせきを伴ってきます。しかしまれに高熱の出にくい肺炎もみられます。
大人のマイコプラズマ肺炎は頑固なせきが持続する場合が多く、高熱が出にくい場合が多くみられます。微熱と倦怠感が長期間つづき、空せきが続くときにはマイコプラズマ感染症を疑っていくことが大切です。
診断は困難なことが多いのですが、家族とくに子どもがマイコプラズマ肺炎にかかっていないかどうか よく聞いておく必要があります。逆に子どもがマイコプラズマ肺炎で治療中のとき、両親にせきや発熱(発熱しても高熱が持続しないで速やかに微熱になりやすい)が生じたときには、マイコプラズマに感染している可能性を説明しておくべきでしょう。
肺炎の一種である胸膜炎も高熱よりもむしろ、突き刺すような胸の痛みとせきを生じてきます。胸膜とは肺を包んでいる膜で、痛みを感じる知覚神経が分布しているために鋭い痛みを生じてきます(肺炎はふつうは痛みを伴いません)。発熱は軽いことが多く、20~30歳代の若い人に多い印象があります。
肺結核や肺ガンも肺炎に似た陰影をレントゲン上で示してきます。発熱は軽いことも多く、また抗生物質の治療で陰影が軽快するように見えることもあり、ガン年齢の肺炎像では常にこれらの病気の可能性を念頭に置くべきでしょう。
*本HPもご覧ください(クリックしてください)。
家庭での医学-子ども-マイコプラズマ感染症・肺炎
家庭での医学-大人-胸の痛み
Q5:夜になると咳こみがひどく、何日も続いて苦しいのですが?
A5:本HPをご覧ください。
家庭での医学-大人-せき
Q6:かぜで中耳炎が起こりやすいのはなぜですか?
A6:本HPをご覧ください(クリックしてください)。
家庭での医学-子ども-鼻水、鼻づまり
Q7:かぜの呼び方にはいろいろあるのはどうしてですか?
A7:「かぜ」や「感冒」という名は一般的に広く使用されていますが、現在では医学的な病名とは考えられません。
病名としては鼻炎、咽頭炎、喉頭炎、気管・気管支炎など炎症の起こっている部位による名称や、まとめて呼ぶときには急性上気道炎、急性気道感染症などの名称が望ましいと思われます。
「かぜ症候群」という呼び方は医学の文献でも広く使用されていますが、日本独自の呼び方のように思われ、明確な定義はなされていないようです。
かぜにもっとも近い英語は「common cold」 と思われますが、これは上気道炎(鼻咽頭炎)のみを示していると思われます。これに対してかぜ症候群では上気道炎だけではなく、喉頭炎、気管・気管支炎およびインフルエンザまで含めていることがあります。
日本では習慣的に、「かぜ」という場合には急性上気道炎(鼻咽頭炎)を、「かぜ症候群」という場合には肺炎や百日咳など特殊な呼吸器感染症を除くふつうの急性気道感染症を指しているものと解釈されます。
Q8:どうして鼻水の色が透明から黄色、緑色に変わるのですか?
A8:鼻の粘膜が炎症を起こしてくると透明な液体がしみ出してきます(これを浸出液といいます)。これは血液の中の水の成分がしみ出してきたものです。
かぜによる鼻水は最初のうちは、花粉症やアレルギー性鼻炎による鼻水と同じ成分で透明な鼻水です。かぜによる鼻の粘膜の炎症は持続的であるのに対して、花粉症やアレルギー性鼻炎による鼻水は一時的です。
アレルギーの原因が鼻の粘膜を刺激すると、まるで水道の蛇口を開いたかのように急に出てきますが、アレルギーの原因がなくなると急に止まってしまいます。
かぜのほとんどはウィルス感染が原因ですが、ウィルスによる炎症が持続すると鼻の粘膜の感染防御機能が低下して、細菌に対する抵抗力が低下してきます。
もともと鼻の中には細菌がいつも住み着いているため、感染防御機能が低下してくると容易に細菌が増殖してきます。それに対して私たちの体は、細菌に対して戦闘態勢を立て直して戦いを挑んでいきます。
その結果、細菌や戦闘部隊である白血球のなきがらがたまってきます。これがうみとして黄色や緑色の鼻水を作っていきます。
外部からの敵の侵入に対して、私たちの体の中では二重、三重の感染防御機能が働く結果、最後には戦いに勝利してうみのような鼻水も自然に消えてしまいます。しかし細菌との力が勝っているとこじれてしまい、急性副鼻腔炎などが起こってきます。
Q9:アレルギー鼻炎とかぜのくしゃみ・鼻水はどうして区別できますか?
A9:花粉症やアレルギー性鼻炎は原因となる抗原が鼻の粘膜を刺激して起こります。
特定の抗原と反応する抗体がすでに存在しているため、抗原・抗体反応が起こる結果、水道の蛇口が開かれたように水ばなが流れ出てきます。
これはアレルギー反応の中心的な立場をなす好酸球といわれる白血球の一種から化学物質(ケミカルメディエーター)が放出され、鼻の粘膜の血管の透過性が亢進したためです。
感染防御機能は破壊されないために細菌感染が起こることはなく、花粉症やアレルギー性鼻炎の鼻水は透明で色がつくことはありません。原因となる抗原がなくなると、抗原・抗体反応が消失し化学物質がなくなるため、鼻水は速やかに消えていきます。
かぜのほとんどはウィルスが原因で起こります。鼻の粘膜に炎症反応が起こる結果、異物を排出するための線毛運動や感染防御機能が破壊されてしまいます。
こうなると細菌に対する防御が低下して、細菌が増殖してきます。細菌感染に対しては別な種類の白血球(好中球)が動員されます。細菌とこれらの間で戦いの結果、白血球や細菌のなきがらがうみとなって鼻水の成分となり、黄色や緑色の色がついてきます。
かぜの鼻水が透明なときは花粉症やアレルギー性鼻炎と区別が困難なこともあります。
鼻水の成分を調べると、花粉症やアレルギー性鼻炎では好酸球が現れてきます。かぜの鼻水では好中球が現れたり、色がついてきます。
鼻の粘膜を観察すると、かぜでは赤くなっているのに対して、花粉症やアレルギー性鼻炎では粘膜があれてきたり白っぽくなってきます。また花粉症やアレルギー性鼻炎では涙や眼がかゆいなどの別の症状が現れてきます。
しかし花粉症がひどくなると、鼻やのどの奥の炎症が強くなり、のどの痛みや微熱や体の倦怠感を起こすようになり、かぜとの区別が困難になります。
Q10:どうしてかぜで鼻がつまるのですか?
A10:詳しくは本HPをご覧ください。
家庭での医学-子ども-鼻水・鼻づまり
Q11:かぜがこじれたら?
A11:眼と鼻は鼻涙管でつなっがており、涙は鼻の中に排泄されるようになっています。
小児、とくに小さいうちは鼻の空間(鼻腔)がせまいために、かんたんに鼻水で満たされることがあります。そうすると鼻涙管の開口部が粘調な鼻水でふさがれるため、涙が流れなくなり、逆流を起こすため鼻から眼に逆行性感染を起こし、かぜによる結膜炎が起こりやすくなります。はじめは涙が多くなりますが、細菌感染のために目やにがつくようになります。このような目やにでは点眼薬はそれほど効果はあがらず、鼻水やかぜの治療が必要となります。
かぜの原因となるウィルスの種類によっても結膜炎を起こしやすいものがあります。アデノウィルスといわれるウィルスは代表的なかぜのウィルス(呼吸器系ウィルス)ですが、その中には約40から50種類の仲間があります。
夏に流行しやすいプール熱(咽頭結膜熱)はのどの炎症(咽頭炎)と眼の充血(結膜炎)を起こし高い熱が続きますが、アデノウィルスの中のウィルスが原因で起こります。また流行性角結膜炎は「はやりめ」ともいわれ、感染しやすく周りの人に次から次へと結膜炎が広がりますが、これもアデノウィルスが原因で起こってきます。
このような結膜炎は点眼薬やかぜの治療などで自然に軽快していくものですが、朝起きたときに目やにがべっとりついているときには、柔らかい清潔なティッシュなどで拭き取るだけでも効果があります。
しかし新生児では目やにがつくと自力で眼を開けることが困難なため、生後一週間くらいまでの目やには眼の障害を起こしやすく注意が必要です。
Q12:かぜは万病の元 と言われますがどうしてですか?
A12:かぜのほとんどはウィルスが原因で起こります。ウィルスによる症状はもともと自然によくなる傾向がありますが、同時に気道のウィルス感染は粘膜の感染防御のためにはたらきを破壊してしまいます。
その結果、細菌による二次感染が起こりやすくなってきます。細菌感染はかぜのこじれた状態をつくり、急性中耳炎や急性副鼻腔炎、肺炎などが起こりやすくなります。
また細菌が血液の中に入り込んでからだを循環すると、心臓では感染性心内膜炎を起こすことがあります。感染性心内膜炎では大動脈や僧帽弁のといった弁が破壊されるために、人工弁に置換する手術が必要になることがあります。高齢者や慢性呼吸器疾患をもつ人にとってかぜをこじらすと呼吸不全を起こし、致命的になりかねません。
ウィルスによっては心筋炎を起こし、急死の原因となることがあります。またかぜを引き金にして多発性神経炎(ギラン-バレ症候群)を起こすことがあります。
かぜ症状から始まる内科的な病気も多数あります。急性肝炎では発熱と感冒様の症状で始まり、病気の初期にはかぜと間違えることがあります。さまざまの血液疾患、免疫不全もかぜの症状で始まることがあります。
このようにかぜを軽視していると思わぬ重篤な病気の引き金になることや、他の病気の初期症状であることがあり注意が必要です。このような経験から昔の人は「かぜは万病のもと」といったのでしょう。
Q13:肺炎を起こしたら入院しなければ治りませんか?
A13:診療所では、ウィルス性肺炎、細菌性肺炎、マイコプラズマやクラミジアによる肺炎などが一般的によくみられます。
その他には結核や肺ガンによる二次性肺炎がみられることがあります。また高齢者では口腔内の常在菌が知らないうちに気管支に流れ込んで起こる誤エン性肺炎があります。ペットなどの動物から感染する肺炎としてはオウム病、Q熱などがあります。
一般の外来では多くの、30~40歳代の若い人たちや小学生の肺炎によく遭遇します。この理由はかぜをひいてもたいしたことないと自己診断して無理を重ねるうちに、こじれて肺炎を起こしたせいと考えられます。
肺炎の多くはウィルス感染をきっかけにしたかぜから起こる細菌性肺炎で、細菌の中でも肺炎球菌やインフルエンザ桿菌による肺炎が多く見られます。
最近はこれらの中で抗生物質に耐性を示すものが認められるようになりときに治療に困ることがありますが、それでも外来で見られるこうした多くの肺炎は抗生物質がよく効くため、外来で抗生物質の点滴治療で治ることがほとんどです。
一般的な細菌性肺炎では2,3回の抗生物質の点滴で解熱してくることが多いため治療が、効果的かどうか判断できます。
逆に2,3回の点滴で解熱しないときには、抗生物質が効きにくい難治性肺炎、結核や悪性腫瘍による二次性肺炎、マイコプラズマ肺炎などが考慮され、入院して治療を受けることが必要になります。
肺炎の治療中は安静を保つことが肝心で、安静にしないで仕事などを続けると、一度解熱しても再び発熱するようになります。こうなると治りにくくなるため入院が必要になります。
高齢者や慢性気管支炎などの肺疾患をふだんから持っている人の肺炎は事情が異なります。高齢者の肺炎は口腔内常在菌が誤エンにより肺炎を起こすことが多くなります。
高齢者ではふだんから訳なくせきこんだり、食事中にむせたりするように、食物やだ液を飲み込むさいに誤って気管に入りやすくなっています。このような肺炎を誤エン性肺炎と呼び、高齢者で多く見られます。
一方、慢性気管支炎や気管支拡張症、肺気腫、かって肺結核を患い肺の瘢痕形成が著明な場合など慢性の呼吸器疾患を持っている場合に肺炎を起こすと呼吸不全を起こしやすくきわめて危険です。
このような病態では、細菌の持続性感染が存在しふだんから喀痰が出ますがその量はほぼ一定しています。しかし感冒などをきっかけに喀痰量が増加し、気道を閉塞する結果、呼吸困難を生じてきます。入院して治療を受けることが必要になってきます。
乳幼児ではこうした細菌性肺炎よりもウィルス性肺炎のほうが頻度は高く、多くのウィルスが肺炎を起こします。1歳までの乳児では、RSウィルスによる細気管支炎や肺炎は重症化しやすく注意が必要です。
乳幼児で高熱と喘鳴(ゼーゼーとした息づかい)があったり、せきがひどいときには入院が必要になることがあります。小児では肺炎を起こすと発熱やせきのために食事がとれなくなり、脱水症も起こりやすくなります。そのため入院して点滴治療を受けるほうが安全と考えられます。
しかし年長児で比較的元気もよく、食事もよくとれていれば外来治療で様子をみることもできます。
Q14:肺炎が治ったかどうかどうして分かりますか?
A14:肺炎の診断の基本は発熱やせきといった症状に加えて、胸部レントゲンでさまざまな程度の陰影(白くみえる影)を認めることです。
肺炎の広がりは胸部レントゲンや胸部CTなどの画像診断が中心になりますが、肺炎の炎症の程度は血液検査が主役です。血液検査ではCRPと白血球数、血沈などが炎症の目安となります。
CRPは代表的な急性相反応物質で、炎症反応や体内の組織破壊があると著しく増加してきます。
その増加は速やかでほぼ一日以内に数倍に増加します。回復に際しても速やかに減少・陰性化します。したがって肺炎の治療を開始して効果があれば、発熱は軽くなり、CRPが減少してきます。
胸部レントゲンはCRPの改善に遅れて陰影が消えてくるため、CRPの変化が重要視されます。一般の外来で見られる細菌性肺炎は、抗生物質の治療により速やかに改善し、一週間くらいで治ってきます。
本HPもご覧ください。
血液検査で分かること-発熱時の検査
Q15:マイコプラズマ肺炎とはどんな肺炎ですか?
A15:マイコプラズマ感染症・肺炎はおもに子どもの間で流行しますが、大人もかかることがあり、身近な病気でありながらときに診断と治療が困難ことがあり有名な病気です。
詳しくは本HPをご覧ください。
家庭での医学-子ども-マイコプラズマ感染症・肺炎
Q16:家庭で子どものかぜをみるときの注意はどんなことがありますか?
A16:子どもの発熱を診断するためには、大人の発熱とは次に述べるようないくつかの相違点があります。
- 子どもでは経過をみないと診断が困難な病気が多いこと、
- 診断のために感染症の流行を知っておく必要があること、
- いろいろな発疹を伴う感染症が多いこと、
- 年齢によってかかりやすい病気に特徴があること、
- 大人と違って血液検査やレントゲン検査が困難なため、治療や検査のタイミングが遅 れるとこじれやすいこと、
- 子どもは適切に自分の症状を訴えることができない。
このような点を注意しながら、子どものかぜをみることが大切です。
詳しくは本HPをご覧ください。
家庭での医学-子ども-子どもの熱
パズルで分かる子どもの病気-子どもの熱
Q17:子どもが熱性けいれんをよく起こしますが?
A17:ほとんどの熱性けいれんは怖くはありません。
詳しくは本HPをご覧ください。
家庭での医学-子ども-熱性けいれん
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