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よく見られる大人の病気・症状

汗の異常

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手に汗握る、あぶら汗、冷や汗、寝汗をかく など古くから汗は私たち日本人の生活や健康と切っても切れない関係にあります。蒸し暑く感じる梅雨から夏にかけて汗を意識することはあっても、ふだん汗について意識することはあまりありません。しかし、汗の異常が健康のバロメーターであったり、手足の異常に多い発汗のために悩んでいる人も少なくありません。ここでは汗について考えてみることにしましょう。

体温調節に重要な役割をはたす「エクリン腺」

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汗腺の構造
(イラスト1)

エクリン腺はほぼ全身に分布し、多い人では約500万個、少ない人では約200万個、平均すると約350万個あります。皮膚の表面から1〜3mmの所にありますが、大きさはかなり小さくて肉眼ではほとんど見えません。実際に活動しているのは半分程度ですが、この活動しているエクリン腺の量が、汗の量を左右し、体温調節のために働いています。

個人差はありますが、快適な気温でも一日約900ccは汗をかいています。夏の暑い時期には、1時間当たり400〜500ccの汗をかき体温の調節を行っています。

エクリン腺の働きは自律神経の一つ交感神経の支配を受け、その中枢は視床下部(脳の底の一部)にあります。発汗には情動不安定や自律神経失調症状を伴うことも少なくないことから、大脳皮質や大脳返縁系との関係も推測されています。

エクリン腺からの汗の99%以上は水分でにおいはほとんどしません。
エクリン腺からの汗の種類としては次の三つがあげられます。(1)温熱性発汗(暑い時や運動した時、体温調節のためにかく汗)、(2)精神性発汗(緊張した時や驚いた時に出る冷や汗で、手のひらや足の裏、わきの下から出やすい)、(3)味覚性発汗(辛いものを食べた時に額や鼻にかく汗)。
 

においの原因になる汗を出す「アポクリン腺」

アポクリン腺のほとんどはわきの下にあり、わきの下以外には外耳道や外陰部などごく限られた場所にのみ存在します。毛穴と一致して存在し、わきの下では肉眼で見えるほど大きいものです。アポクリン腺の役割は体温調節ではなく、においの原因となる汗を出すことです。エクリン腺は生まれた時から全身にあるのに対して、アポクリン腺は思春期に発達してきます。

動物ではにおいは仲間や異性を引きつけるフェロモンのような重要な役割があります。本来、ヒトでも同じような役割があったものと推測されますが、最近では「わきが」と呼ばれてすっかり嫌がられるようになりました。

アポクリン腺の量は個人差があるばかりでなく、人種間でかなり差があります。黒人や欧米人には多く、日本人には少ないといわれています。

アポクリン腺から出る汗は粘りけがあり色も乳白色で、脂肪・鉄分・アンモニア・尿素などが含まれています。汗自身は無臭ですが、細菌によって分解されると不快なにおいを生じます。細菌は「皮脂やアカで汚れている」、「温度や湿度が高い」ほど増えやすくなります。夏場は細菌が増えやすいので、においが強くなりがちです。さらに皮脂が汗の成分に含まれる鉄イオンと空気の作用によって酸化されると、ツンとする酸化臭が発生します。これらが体臭の原因になります。 

アポクリン腺からの体臭は美容面から問題になることはありますが、内科的にはエクリン腺からの全身あるいは局所的な発汗の異常が問題になります。
 

全身からの発汗の増加

病気で一番多いのは熱性疾患です。発汗だけでなく発熱、咳、リンパ節腫大などほかの症状を伴うため、診断の手がかりになることがあります。

盗汗(寝汗の一種です)を心配して来院される方があります。睡眠中には大脳皮質の発汗中枢抑制作用が低下して生理的にも発汗量の増加がみられます。盗汗は微熱があると自覚されやすく、盗汗から肺結核、感染性心内膜炎などが発見されることがあります。この場合にはふつう発熱を伴うので熱型の観察が重要になります。盗汗はこのほかホジキン病など血液疾患でも起こることがあります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では全身の発汗が約10%にみられます。発作性の全身発汗を生じる間脳てんかんもまれながら存在します。更年期には多汗、夜間の発汗、ほてりやのぼせがみられます。
 

限局性の発汗の増加

緊張すると手足に汗をかくのは誰でも経験することです。しかし、その程度がひどくなると手足から流れるように汗が出て日常生活にも支障が出るようになります。手のひらだけではなく、半数は足の裏にも汗をかきやすくなります。女性に多く、、思春期前後に発症して、ふつう40歳代前に自然によくなります。汗が蒸発する時に熱を奪うために手足は冷たくなり、低温化のため交感神経が緊張してさらに発汗が増加します。

このほか、限局性の発汗異常は、神経疾患や交感神経系の障害で起こることが多く、たいがい特徴的な神経症状を伴います。まれに交感神経への圧迫症状による顔半分の発汗の増加から胸部腫瘍が発見されたり、耳下腺や下あごの外傷や手術後に病的な味覚性発汗を生じることがあります。

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