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口内炎 | ||||||||||||||||
| 口や唇、舌に口内炎が繰り返してできると、食事するのも話をするのも痛くて実にやっかいなものです。一つだけでも困るのに一度にいくつもできるとたまらなくつらいものです。このような繰り返しできる口内炎に悩んでいる人は多いにもかかわらず、原因についてあまり多く語られることはありません。 内科の病気に関係して起こる口内炎(ベーチェット病や免疫不全など)もありますが、その多くはふだんは健康に生活している人にできるものです。ここでは日常の診察室で経験されるいろいろな種類の口内炎について説明し、しばしばみられるアフタ性口内炎の多くが、単純ヘルペスによるものではないかという筆者の考えを述べてみたいと思います。
口内炎は口の中(口腔粘膜)や舌にできるいろいろな原因による炎症性びらんや水ほう、潰瘍性病変などの総称と考えることができます。その多くはアフタ性口内炎ですが、カタル性口内炎、ウィルス性口内炎、カビによる口内炎、アレルギーによる口内炎、ニコチン性口内炎などが種類としてはあげられます。
最も一般的な口内炎で、白くくぼんだ潰瘍ができるタイプの口内炎です。10日前後で自然に治りますが、繰り返してできることがあり再発性アフタ性口内炎と呼ばれます。かぜをひいたとき、体調が悪いときや過労が重なったとき、暴飲暴食した後、胃の調子が悪いときにしばしば起こりますが、特に原因が分からずに起こることもあります。口の粘膜をかんだ後に起こる口内炎は、傷に細菌やウィルスが感染して起こってきたものです。
口腔粘膜のただれともいえる口内炎で、赤く炎症を起こしたり、ざらざらとあれてきたり、白くただれることもあります。アフタ性口内炎のようにはっきりとした境界はありません。高齢者でむし歯や歯槽膿漏、義歯の不具合などが原因で口の中の衛生状態が悪くなったときに起こりやすくなります。ビタミン不足などが原因のこともあります。また指しゃぶりなどが原因で、幼児にもみられることがあります。
小児ではかぜの原因として知られるウィルスが口内炎を起こすことがしばしばあります。その代表が主に夏に流行するヘルパンギーナや手足口病です。
カンジダは口腔内に常在するかびの一種です。健康なときは問題になることはありませんが、高齢者や乳幼児では口の中が不潔になったり、抗生物質やステロイドなどの治療を受けた後、体調の悪いときなどにカンジダが増えてくることがあります。白い小さな斑点が集まってこけのようになり、しみるような痛みが起こります。カンジダはのどの奥(喉頭)や食道にもできることがあります。
むし歯や義歯で使用される金属アレルギーが原因と思われる口腔粘膜の炎症や口内炎が起こることがあります。金属アレルギーの可能性があるときはパッチテストといって、金属片を皮膚に貼り付けてアレルギー反応を確かめることができます。
口内炎が内科の病気と関係して起こることがあります。その代表がベーチェット病です。また免疫不全を引き起こすAIDSの初発症状が多発性口内炎のことがあります。さらに性風俗の変化に伴い、梅毒や淋病、クラミジアなどの性行為感染症が尿路感染だけでなく、口の中にも感染するケースが増えてきました。しかし一般の内科医ではこうしたケースに遭遇する機会はめったにありません。
口内炎の中でもっとも多いのは潰瘍ができるアフタ性口内炎です。ほとんどの場合1〜2週間で自然に治るものの、繰り返してできたり、いくつもできると食事や話をするのもつらくなり大きな苦痛を伴います。口に中に傷を受けた後や、うっかりほほをかんだ後にできる口内炎もアフタ性口内炎の一例です。 1)口内炎が2つ以上できている、繰り返してできる? ふつう単純ヘルペスによる皮膚病変は「ねつのはな」のように小水ほうとされています。確かに唇周辺、鼻、耳など顔にできる単純ヘルペスの病変は水ほうが集まったものです(写真1,2,3,4)。アトピー性皮膚炎の人では単純ヘルペスによる水ほうができると、あたかも水ぼうそう(水痘)のようにみえることからカポシー水痘様発疹症と呼ばれます(写真5)。
1)小児のヘルペス性歯肉口内炎(単純ヘルペスの初感染)
単純ヘルペスが原因と考えられる口内炎なら抗ウィルス薬が有効ではないかと考えられます。実際、抗ウィルス薬を内服するとかなり有効であるとの印象があります。口内炎の種類によっては劇的に奏功します。しかし抗ウィルス薬は早期に内服しないと効果が出にくいこと、二次的に細菌感染などを起こして大きな口内炎になっていると他の口内炎と同じように治りにくく対症療法しかないこと、などから有効性が実感できないこともあります。また抗ウィルス薬は高価な薬なので、再発性口内炎のたびに内服するのも制限があります。 |
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